寒くなる季節には、家でもキャンプ場でも温かい料理が食べたくなりませんか。
キャンプ=BBQばかりだと、どうしても飽きてしまいますよね。
マンネリ化したキャンプ料理も「ダッチオーブン」さえあれば、誰でも簡単に美味しい料理が作れちゃいます!
そこで、今回は、この「ダッチオーブン」についてご紹介させていただきます。
実際、私がダッチオーブンを使って、無水カレーを作った動画も併せてご覧ください。
ダッチオーブンとは。。。
キャンプやアウトドアで使用するダッチオーブンは、どんな種類があるのでしょうか。
ダッチオーブンは、焼く・煮る・蒸す・炊く・揚げる・燻す(いぶす)一台で何役もこなせる万能鍋です。
とにかく使ってみると、その良さに感動し、料理上手になった錯覚(思い込み)さえ起こします。
この錯覚(思い込み)が持続すれば、次のダッチオーブン料理に弾みが付きます。作った料理がまた美味しければ、家でもキャンプでも楽しくなることは間違いないでしょう!
素材
ダッチオーブンとは、一般的には、鋳鉄製(ちゅうてつせい)のものが主流です。他にも黒皮鉄板、ステンレス、アルミニウム合金のものもあります。
鋳鉄製(ちゅうてつせい)とは、鉄を使った鋳物(いもの)です。衝撃や温度変化に弱い。
鋳物(いもの)というのは、加熱して溶かした金属を型に流し込み、冷えて固まった後、型から取り出して作った金属製品のことです。
黒皮鉄板製は、一枚の鉄板を鍋状にプレス成型したもの。急激な温度変化があっても割れない。
ステンレス製は、金属の中でも丈夫なステンレス鍋を使用し、一枚の大きな銅材からスピン加工して造り上げている。
主なメーカーには、
【鋳鉄製】
ロッジ(Lodge)
スノーピーク(snow peak)
コールマン(Coleman)
ロゴス(LOGOS)
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)
【黒皮鉄板製】
ユニフレーム(UNIFLAME)
【ステンレス製】
ソト(SOTO)
TSBBQ(燕三条製)
種類
キャンプオーブン
主に野外で使用するオーブンです。焚火にくべやすいように3本足があります。<代表的な商品:Lodge(ロッジ)のキャンプオーブン>
蓋の上にも炭をのせることができ、上下両方から加熱することができるすぐれた商品です。
一方、コールマンより販売されているキャンピングオーブンスモーカーという商品があります。重さは約3.5㎏で折畳めて収納もできます。ガソリン式のツーバーナーとセットで使用し、ピザやパンが作れる他、スモーク作りも楽しめちゃいます。重いダッチオーブンが嫌いな方には、こちらもおすすめです。
キッチンオーブン
主に家庭のキッチンで使用するオーブンです。
コンロにかけやすいように底が平らになっています。特にキャンプで使用するものは、このタイプのものが主流です。
キャンプオーブンのように蓋には炭をのせることも可能です。底が平らなものが各メーカーより様々な商品が販売されています。
一方、家庭用として代表的なものは、近年人気のあるフランス製のル・クルーゼ社の製品が挙げられます。中には、このカラフル色のオーブンを全色買い求めるコレクターがいるほどです。
スキレット
鉄製でフライパンの形をした鍋です。ダッチオーブン同様に厚みがあるため、冷めにくい特徴があります。
これを使ってキャンプ場で目玉焼きを作って食べると、自宅のフライパンで作ったものより断然美味しいです。
コンボクッカー
ダッチオーブンとスキレットが合体した鍋です。蓋がスキレットの役割してくれます。
その他付属品
リフター | 鍋を持ち上げる道具 |
ダッチスタンド | 鍋置き |
ロストル | 底網(丸網) |
グローブ | 素手では火傷します |
スクレイパー | 鍋に付着した汚れ取り |
トライポッド | 三脚,四脚の上部中央にあるフックを使って焚火の上に鍋を吊るす。 |
鋳鉄製・黒皮鉄板製
メリット・デメリット
メリット | 鋳鉄製のものは、使い込むほど味が出てくる。 |
万能鍋なので、食材を準備して鍋に入れ蓋をすれば、お・ま・か せ! | |
圧力鍋効果、無水鍋効果、オーブン効果で美味しいものが出来上がる。 |
デメリット | ダッチオーブン自体が重い。 |
メンテナンスが面倒くさい。(手間がかかる) | |
家庭用フライパンと違い、洗って放置しておくと、すぐにサビます。 | |
しばらく使わないと、鍋の中の油が酸化してきて臭くなる。 |
特に使用後が重要!正しい洗い方、お手入れ、保管方法をマスターしましょう!
ステンレス製
メリット・デメリット
メリット | シーズニング不要ですぐに使える。面倒くさがりな方におすすめ |
メンテナンスフリーぼ不要。普通の鍋と同様の扱い方でOK | |
使った後、洗剤でゴシゴシ洗っても大丈夫 |
デメリット | ステンレス製といえども、重い。 |
使い込むうちに、ステンレス製の輝きがなくなり、次第に変色してくる。 | |
鍋の中の焦げ跡がだんだん目立ってくる。 |
シーズニングとは。。。
ダッチオーブンを購入後、ステンレス製以外の鋳鉄製、黒皮鉄板製のものは、必ずシーズニング(鍋や蓋をカラ焼き)を行ってから使用するようにしてください。
なぜならば、購入時は、サビ止めのワックスやオイルが塗られています。まずこれを落としてから使用するようにしましょう。
初めは面倒ですが、シーズニングをマスターしてしまえば、使い始めやお手入れなど作業は同じなので、慣れていきましょう。
では、シーズニングの方法について、私が所有している、ダッチオーブンを例に注意点も含めて説明します。各メーカーよりシーズニング方法に多少の違いはありますが、あまり気にしないでOKです。
使い始める前のシーズニング方法
ユニフレーム(UNIFLAME)のダッチオーブンを例にシーズニングの方法を順番に説明します。
1.本体の鍋をコンロにのせて中火から強火で30分程度カラ焼きをします。火力によって煙が続いた場合には、野菜クズを入れて炒めてもOKです。(ガスコンロ推奨)
2.煙がおさまったら、鍋の内側全体に食用油(匂いの少ないオリーブオイルが最適)を大さじ2杯程度入れて、次に野菜クズを入れたら、5分程度馴染ませるように炒めます。
油が焼き切れれば終了です。鍋の外側はシーズニング不要です。
蓋(取手のない平らな面)はそのままコンロにのせて、中火から強火で20分程度カラ焼きします。
煙がおさまったら終了です。裏返してカラ焼きする必要はありません。
3.野菜クズを取り出して、鍋を洗います。
4.再度カラ焼きして水分を飛ばしたら、オリーブオイルを鍋と蓋に薄く塗れば準備完了です。
電磁調理器でシーズニングを行うと、表面のクリアラッカー(塗装)が煙にならずに、流れ落ちる場合があります。ご注意ください。(暖炉や薪ストーブも要注意)
使い終えた後のお手入れ方法と注意点
鍋についてしまった残った食材を取り除きます。洗剤できれいに洗い流します。
再度カラ焼きして水分を飛ばしたら、オリーブオイルを鍋と蓋に薄く塗ります。
別々に新聞紙などにくるんで、保管しておけば、湿気やサビ対策にもなります。
長期保管後、取り出した際、油臭さを取り除くためには、鍋に香りの強いネギや生姜など野菜クズを入れて炒めると臭みは取れます。
油分の少ない煮物料理や炊飯等を繰り返した場合、馴染んだ油分が薄くなりますので、サビやすくなります。
トマトやリンゴなどの酸味を含む料理はサビやすくなるため、鉄の臭いが料理についてしまう場合があります。
いずれにしても、購入時に鍋と蓋のワックスを落として、シーズニング(カラ焼き)するということを念頭に行ってください。
どんな料理ができるのか
焼く・煮る・蒸す・炊く・揚げる・燻す(いぶす)と万能調理器具のダッチオーブンですが、実際どんな料理が作れるのか。
ダッチオーブンを熱して高温になると、なかなか冷めにくい性質があります。
キャンプやアウトドアでは、蓋の上に熱々の炭をのせて、上下から包み込むように焼き上げることができるのも大きな魅力のひとつです。
では、万能鍋、魔法の鍋と言われる、このダッチオーブンでどんな料理が作れるのか、いろいろな方法をご紹介します。
初心者でもダッチオーブン頼みで作れちゃうおすすめ料理もあります。
気になった方、ダッチオーブンは持っているけど、料理に使ったことがない方は、是非チャレンジしてみてください。
焼く
ダッチオーブンの熱伝導効果で、食材の表面に焼き色が付きます。また、分厚い蓋で密閉することで、高温で美味しさを封じ込め、じっくりと焼き込むことができます。
【参考料理】ローストビーフ、焼きリンゴ
煮る・蒸す
重くて分厚い蓋をすることで、内部に圧力がかかり水分を逃がさないため、鶏肉や牛肉などの大きな塊肉もじっくり調理することができます。
また、食材のもつ水分だけで煮込めるため、無水料理や無油料理など、寒くなってきたらキャンプやアウトドアには、欠かせないマストアイテムの一つです。
【参考料理】無水カレー、おでん、もつ煮込み、ホワイトバンズ(卵を使わないパン)
炊く
熱して高温になる鍋で肉や野菜や炒めるのも、ダッチオーブンは得意です。自宅で作るチャーハンとは別物です。プロに近づいた錯覚を覚えたりするかもしれません。
【参考料理】パエリヤ、チャーハン
キャンプ場で「パエリヤ」を作ってみました。よろしれば、動画をご覧いただき、あなたも挑戦してみてください。
https://youtu.be/Flcd90OuVgw
揚げる
保温性と熱伝導に優れているため、食材を入れても温度が下がりません。なので、鶏肉や魚、野菜など揚げ物も作れます。どれも高温でカラッと揚がり、中身はジューシーに調理できるのも特徴です。
【参考料理】唐揚げ、アヒージョ
燻す(いぶす)
完全密閉で蓋をするため、鍋の内部に熱がこもりやすく、チップとの距離が近くなることから、燻製料理にも利用できます。アルミホイルの上に燻製チップを敷き詰め、ロストル(底網)に食材を置いて燻せばOKです。
チーズやウインナーは、予熱で燻製すればすぐに食べられるので、別に燻製用に道具を買い揃えなくても大丈夫です。
【参考料理】チップを入れた燻製料理(スモークサーモン、チーズ、ウインナー)
キャンプ・アウトドアといえば、BBQというイメージですが、毎回BBQばかりでは、やはり飽きてしまいますよね。そこで、このダッチオーブンという道具を加えて、手抜き料理を覚えてしまえば、料理の楽しみが格段に広がります。
炭以外でもカセットコンロ、家庭のガスレンジでも使用可能なものもあります。
この万能鍋・魔法鍋のダッチオーブンをどう使うかは、あなたの腕次第です!
ダッチオーブンを使った無水カレーに挑戦!
寒くなってくると、鍋料理が食べたくなりますよね。
今回、ダッチオーブンを使って「無水カレー」を作ってみました。よろしければ、こちらの動画もご覧ください。
https://youtu.be/XxI6uy44sXI
デイキャンプで利用時間が限られていることもあり、今回はカセットコンロを使いました。
今回作った無水カレーの材料、作り方をご紹介します。メスティンを使った白米も用意しました。
【材料】トマト3個、たまねぎ3個、にんじん1本、鶏むね肉200g程度、しょうが、にんにく各ひとかけら、市販のカレールウ(2個程度)※お好みで調整してください。
【その他】オリーブオイル、香辛料(クミンシード、コリアンダー、ターメリック、ガラムマサラ)
【作り方】
まずは、材料(トマト、たまねぎ、にんじん、鶏むね肉)を食べやすいサイズに切ります。
ダッチオーブンが温まってきたら、油大さじ2杯入れます。
クミンシードを小さじ2杯程度入れて、油となじませる。(テンパリング)
カットしたたまねぎ全部を入れます。色が変わるまで混ぜます。
カットした鶏むね肉を火がとおるまで炒めて、しょうがとにんにくも入れます。
その後、コリアンダー、ターメリック、ガラムマサラを小さじ1杯入れ、かき混ぜます。
カットしたにんじんを鍋に入れて鶏肉が焼けてきたら、カットしたトマトを鍋に全部入れて、へら等でトマトを潰して水分を出します。
市販カレーのルーを投入(2個~)カレーの味が薄ければ後からでも投入OKです!
今回はメスティンで白米も炊きました! <米1合+水150CC>
カレーに使用する香辛料を揃えて作ったため、本格派のカレーに仕上がりました。
メスティンで炊いた白米も美味しかったですが、ナンも用意しておけば良かったです。
料理が得意でない私でも、この魔法の鍋を使えば、美味しく仕上げてくれました!
まとめ
マンネリ化したキャンプ料理も「ダッチオーブン」さえあれば、簡単に美味しい料理が作れます。
ダッチオーブンは、焼く・煮る・蒸す・炊く・揚げる・燻す(いぶす)一台で何役もこなせる万能鍋です。あなた好みのものをじっくり選んでください。
初めは面倒なシーズニングもマスターしてしまえば、使い始めやお手入れなど作業は同じです。とにかく慣れていきましょう。